リーンやアジャイルの原則でソフトウェア開発を行う際に、概念実証(Proof of Concept – PoC)を実行すると、アイデア、アプローチ、またはテクノロジーの実現可能性を早い段階で確認するのに役立ちます。
成功する概念実証(PoC)を効率的に実行する方法・ベトナムオフショアにおけるPoC開発のメリット
INDEX
1. PoCの目的と段階
2. 成功するPoCを可能な限り効率的に実行する方法
3. ベトナムオフショアにおけるPoC開発のメリット
4. まとめ
PoCの目的と段階
PoCの目的は、アイデア、テクノロジーまたはアプローチが実現可能で、実際に適用可能であるという仮定を検証することです。
現代のソフトウェア開発では、リーンやアジャイルの原則と共に、PoCが製品をより早く市場に出す事を支援し、納品を加速します。PoCは、使用者に迅速なアクセスを提供し、学習とイテレーションを効率的に行うことで、初期段階の検証をサポートします。PoCの利点は下記となります。
・アイデアまたは計画された変更の価値を確認する。
・選択した開発アプローチが正しいかを確認する。
・ソリューションの制限を判断し、技術的に可能であることを確認する。
・ソリューションがターゲットユーザーの期待に一致するかどうかを確認する。
・製品の「早い失敗」の発見を支援することにより、リスクを軽減し、実行不可能な製品にそれ以上の開発コストや努力をつけるのを防ぐことができる。
プロセスの基本として、PoCには2つの主要な柱があります。
コンセプト(概念)
コンセプトはソフトウェアの青写真、またはこれからのソリューションの基本を定義する初期のMVP(実用最低限)ソリューションです。使用できる機能がない場合もありますが、ある部分を実装する価値があります。
プルーフ(実証)
決めた目標と基準を達成できそう、良いユーザーエクスペリエンスを提供できそうと判断した場合、そのプロジェクトは実現可能であることが証明されます。PoCに対するフィードバックを収集し、テストケースを実施することで判断することができます。
PoCのイニシアチブが不十分だと、残酷な結果を招く可能性があります。誤って開発サイクル全体に間違った方向を設定する可能性があります。したがって、PoCフェーズをそれ自体の完全なプロジェクトとして扱うことが重要です。これは、他の主要なソフトウェア開発段階と同じくらい重要です。そのため、十分な予算と、専門家チームが専念する必要があります。
その上、PoCのソフトウェアはバランスを取りながら、本質的なものだけに焦点を当てる必要があります。要素や定義が少なすぎる場合は、プロジェクトの全体像をユーザーに提供することは難しくなります。しかし、要素やテストシナリオをPoCに載せすぎてもいけないので、MVPまたは本格的な開発のフェーズに二次的なものを残したほうが良いです。
成功するPoCを可能な限り効率的に実行する方法
より大きなプロジェクトの一部ですが、PoC自体がプロジェクトとして扱われる必要があります。したがって、他のプロジェクトと同様に、明確に定義する必要があります。PoCを成功させるには、4つの重要なステップが考えられます。
①目標を合意し、プロジェクトの範囲を狭める
PoCの明確な目標を合意することが第一歩です。PoCが何を提供するかについて共通の期待を持つことで、特にアジャイルを適用する場合に、バックログを洗い出しながら範囲を狭めることができます。
正確で有用な結果を得るために、PoCの範囲を定義することが重要です。PoCが実行可能であることが証明されたとしても、範囲が正しくなければ時間や労力が無駄になる可能性があります。理想的には、PoCの範囲を単一の目的に制限します。たとえば、1つの問題の解決策を見つけることです。範囲が拡大して多くのことをカバーすると、何も確認できなくなる場合があります。
②期間と労力を認識する
予算は、プロジェクトの基本的な柱の1つです。特に、製品/アイデアのフィールドテストを実施するコストが不十分だとならないです。計画に定義された作業の範囲に基づいて、チームのための資金調達、製品の展開とサポートにかかる潜在的なコストを計算する必要があります。
PoCをプロジェクトとして管理する場合は、数週間などのタイムラインを抑える必要があります。仕事をするためにチームを素早く集めて、あまり多くのリソースを投入しない方が良いでしょう。
③適切なリソースを選択する
PoCを実行するための適切なチームを選択することは、プロセス自体と同じくらい重要です。あまり費用をかけずに、徹底的に仕事をし、成果を提供するための適切なスキルを持っていることを確認した方が良いです。
④成果物を評価するための適切な基準を選択する
正しく使える成果物を得るには、適切な結果を収集し、成功か失敗かを判断するためのプロジェクト計測基準が必要です。成功だと評価する測定可能な基準は、事前に決定しなければなりません。ビジネスのリスクとコストを管理し、成果を確実に得るために、何が本当に重要であるかの判断を支援するスペシャリストが必要になる場合もあります。
ベトナムオフショアにおけるPoC開発のメリット
PoCにはスピードが重要ですが、日本国内のITリソースを確保することは容易ではありません。 リソースの不足や単価の増加が悪化しており、その結果、海外に目を向ける企業が増えています。
以下は、PoCオフショア開発の主な利点です。
専門家への接近
熟練したエンジニアのチームと提携することにより、有能な従業員の誘致や採用のための費用が無くなります。採用プロセスは難しく、時間と費用がかかります。PoCのスペシャリストチームを構築するという面倒な過程ではなく、この負担をオフショア開発会社に任せる方が良いでしょう。
多くのオフショア開発会社は数十年の経験を持ち、国内の人材の教育と採用を続けることに取り組んでいるため、海外で人材を低コストで見つけることはますます容易になっています。
コスト効率
他のアウトソーシング方法と同様に、PoC作業を委任することを決めた企業は、管理費や設備費などの諸経費や、必要な機器の購入と保守を回避できます。
市場への提供時間の短縮
アウトソーシングのチームは迅速に立ち上げられ、すぐに仕事に取り掛かることができますので、短い時間で改善や新製品を出すことに役立ちます。
多様な専門知識
アウトソーシング企業は、複数の業界にサービスを提供し、さまざまなプロジェクトに従事しているため、非常に多様なデータ、プロジェクト種類、利用ケースに触れることができます。 これにより、ある特定の専門領域だけではなく、幅広いイノベーションの視野を得ることができます。
柔軟性
開発プロセス全体またはその一部を別の会社にアウトソーシングすることには、柔軟性が高いという利点があります。たとえば、顧客のプロジェクトに合わせたスキルを備えたカスタマイズされた開発チームを構築したり、短期プロジェクトのために1人のソフトウェアエンジニア、Salesforceスペシャリスト、またはデータサイエンティストなどをリースしたりできます。アウトソーシングの良いところは、プロジェクトの変化する要件に対応するために、さまざまな形と粒度をとることができることです。
ますます便利になっているコミュニケーション
ベトナムは、豊富な人材と低コストで、日本企業にとって理想的なオフショア開発拠点になりつつあります。ベトナムの企業とPoC研究開発プロジェクトに取り組んでいる場合、役員、プロジェクトマネージャー、さらにはエンジニアと完全に日本語でコミュニケーションをとることができる会社があります。また、時差が2時間しかないため、両者間の通信も比較的便利です。
まとめ
PoCの目的は、アイデア、テクノロジー、またはアプローチが実現可能で、実際に適用可能であるという仮定を検証することです。PoCには、概念と実証という2つの部分を明確に定義する必要があります。不十分なPoCイニシアチブは酷い結果をもたらす可能性があるため、それ自体をプロジェクトとして扱い、成功するPoCを作成するための重要な手順に注意を払う必要があります。その上、PoCの研究開発はオフショアに委任するのは様々なメリットがあります。
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